横浜税関遺構 鉄軌道及び転車台(公園の下から出てきた、荷役の線路と四基の転車台)|何があった場所か
横浜市中区の象の鼻パークの一角に、地面の下の線路を見られる場所がある。横浜市都市整備局都市デザイン室は、ここを横浜市認定歴史的建造物の横浜税関遺構 鉄軌道及び転車台とし、所在地を中区海岸通一丁目の象の鼻パーク内、築造年代を明治28年(1895年)から明治29年(1896年)、設計と施工を不詳と記す。規模は、鉄軌道が鉄製で車軸幅1.06メートル、転車台が鉄及び鋳鉄製で直径2.50メートルのものを四基、支承軸及び支承車輪を八基そなえるとする。
この線路が何を運んだのかは、港をつくった側の資料に書かれている。横浜市港湾局は、鉄軌道及び転車台を象の鼻地区の再整備工事中に発見された明治期の港の遺構のひとつとし、明治20年代末に整備された岸壁から横浜税関の輸入上屋への荷役を担ったものと記す。同じ工事では、旧横浜税関倉庫の基礎と、開港初期の石積み護岸のうち関東大震災により沈下した部分も見つかっている。港湾局は、これらを保存して活用し、解説板などで地区の歴史と港の遺構を紹介しているとする。
象の鼻パークは、開港150周年にあたる平成21年(2009年)6月2日の開港記念日に開園した。港湾局は、この地区を横浜の港が始まった場所とし、地区の中央部を赤レンガパークと山下公園を結ぶ山下臨港線プロムナードが通っているとする。船から陸へ荷を移すためにつくられた装置が、いまは歩く人の足もとにある。

近くの痕跡
- 旧居留地消防隊地下貯水槽(日本大通の地下に残る煉瓦の水がめ)(水の痕跡・約340m)
- 港橋(川も先代の橋も消えて、花の紋章が残った)(地の痕跡・約847m)
- 派大岡川の跡(関内と関外を分けた川と、その上に重なった高速道路)(水の痕跡・約926m)
- 旧灯台寮護岸(灯台の役所の名を持つ岸に、明治の石積みが積み直された)(地の痕跡・約945m)
時のながれ
- 明治28年(1895年)から明治29年(1896年) — 横浜税関の構内に鉄軌道と転車台が築かれる。設計と施工は不詳と横浜市都市整備局都市デザイン室は記す。
- 明治20年代末 — 整備された岸壁から横浜税関の輸入上屋への荷役を、この鉄軌道と転車台が担ったと横浜市港湾局は記す。
- 平成21年(2009年)6月2日 — 象の鼻地区の再整備を経て、開港150周年の開港記念日に象の鼻パークが開園する。工事中には旧横浜税関倉庫の基礎や、震災で沈下した石積み護岸も見つかった。
- 平成21年度 — 横浜市認定歴史的建造物に認定される。
編集部の調査メモ
このページを作るにあたって、編集部が何を確認したか、このページでどう扱ったかを記録しています。
資料で確認できたこと
- 横浜市都市整備局都市デザイン室の認定歴史的建造物のページは、所在地を中区海岸通一丁目の象の鼻パーク内、築造年代を明治28年(1895年)から明治29年(1896年)、設計と施工を不詳と記す。
- 同じページは、鉄軌道を鉄製で車軸幅1.06メートル、転車台を鉄及び鋳鉄製で直径2.50メートル・四基・支承軸及び支承車輪8基付とする。
- 横浜市認定歴史的建造物の一覧は、この遺構の認定年度を平成21年度とする。
- 横浜市港湾局の象の鼻地区再整備計画のページは、工事中に発見された明治期の港の遺構として、港の貨物線の鉄軌道及び転車台、旧横浜税関倉庫の基礎、石積の防波堤の三つを挙げる。
- 同じページは、鉄軌道及び転車台を、明治20年代末に整備された岸壁から横浜税関の輸入上屋への荷役を担ったものと記す。
- 同じページは、発見された遺構の保存活用と、解説板などによる地区の歴史と港の遺構の紹介を行っているとする。
- 横浜市港湾局の象の鼻パークのページは、開園を開港150周年の平成21年6月2日(開港記念日)とし、地区の中央部を赤レンガパークと山下公園を結ぶ山下臨港線プロムナードが通っているとする。
そのため、このページではこうしています
- 位置は、園内に置かれた解説板の地点を採った。遺構は線と面で広がっているため、一点で代表できるものではない。
- 規模の数値は、市の認定のページの表記をそのまま用いた。
- 園内は公共の公園だが、遺構の上や周囲の設備には手を触れず、通行の妨げにならないようにしたい。
- 市の案内は、園内での撮影やイベントの実施について問い合わせ先を示している。撮るときは事前に確かめたい。
現地確認: 未実施
❓まだ分かっていないこと
この場所には、資料ではまだ確認できていない事柄がある。
- 遺構がいつ地中に埋もれ、いつ掘り出されたのかを年月まで示す資料には行き当たらなかった。
- どのような車両がこの軌道を通ったのかを示す資料には到達できなかった。
- 現地での展示の方法や覆いの材質を説明した市の資料には行き当たらなかった。
参考・出典
5件出典に基づいて掲載している
- 横浜税関遺構鉄軌道及び転車台(横浜市認定歴史的建造物)
横浜市都市整備局企画部都市デザイン室 - 横浜市認定歴史的建造物 一覧
横浜市都市整備局企画部都市デザイン室 - 象の鼻地区 再整備計画 歴史的遺構の活用
横浜市港湾局 - 横浜港 象の鼻地区(象の鼻パーク)
横浜市港湾局 - 象の鼻地区 地区の変遷
横浜市港湾局
訂正履歴
公開後に内容を改めた箇所を、日付とともに記録している。
- :出典に書いた発行元の名前を、資料のページに書かれた表記(横浜市都市整備局企画部都市デザイン室)にそろえた。
この場所について
この場所について、いま知っていることを教えてください。